肩ボトックスとは?効果や効果が出るまでの注射回数は?副作用はある?

肩ボトックスとは?効果や効果が出るまでの注射回数は?副作用はある?

日本人は3人に1人が肩こりに悩んでおり、その人数は年々増加傾向にあります。肩こりへの対策として、マッサージや整体、ストレッチなどがありますが、近年注目を集めているのは「肩ボトックス」です。
肩ボトックスは、肩の筋肉に対して行うボトックス注射を指します。ボトックス注射と言えば、エラの張りや、おでこ・眉間のしわ改善というイメージがありますが、実は肩こり改善にも効果的です。
肩こりに限らず「肩のシルエットをすっきりとさせたい」「首を細く見せたい」といった、見た目のお悩み改善にも効果を発揮します。

この記事では、ボトックス注射の効果・薬剤の種類・効果が出るまでの期間・副作用・失敗例などを徹底解説します。注意点などを踏まえたうえで肩ボックスに挑戦して、長年のお悩みを解消しましょう。

ボトックス注射とは?

ボトックス注射とは、ボツリヌス菌から生成される天然のたんぱく質(A型ボツリヌス毒素)を有効成分として活用する治療法です。
「毒素」と言うと体に悪いイメージがありますが、毒素を分解・精製したものであり、ボツリヌス菌や培養液などの成分は含まれていません。
なお、「ボトックス注射」という名称は、厚生労働省の承認を取得している、アラガン社のボツリヌストキシン製剤「ボトックスビスタ®」に由来しています。
ボトックス注射には、筋肉をリラックスさせる効果があります。凝り固まってしまった肩の筋肉(僧帽筋・半棘筋・肩甲挙筋など)にボトックスを注入すると、筋肉の緊張状態が緩和され、肩こりや巻き肩の緩和に効果的です。
そのほか、注射する部位によって以下のようなお悩みの改善に役立ちます。

  • あごやエラをすっきりさせて小顔に見せたい。
  • 額や眉間などの深いシワが気になる。
  • 下がって怒っているように見える口角を上げたい。
  • 筋肉質なふくらはぎを細くしたい。

また、健康医療の分野では多汗症・眼瞼けいれん・片側顔面けいれん・痙性斜頚・上肢れん縮・下肢れん縮・斜視といった治療に用いられることがあります。
なお、ボトックス注射の効果は半永久的ではありません。そのため効果を持続させるには、定期的な治療が必須です。
しかし、メスを使わない・目立ったダウンタイムや副作用がない・入院がなく施術時間が短いなどのメリットが多く、気軽に受けられるため人気が高い施術です。
施術時間はクリニックや患者の状態などによって異なりますが、早ければ5分程度で完了します。

ボトックス注射の仕組み

A型ボツリヌス毒素には、「アセチルコリン」の機能を抑制する作用があります。アセチルコリンとは、筋肉を動かす指令を脳から筋肉へ伝達する神経伝達物質です。
筋肉が緊張して固くなっている部分にボトックスを注入すると、脳から送られる「筋肉を動かせ」という指令が抑えられ、筋肉の過剰な動きを和らげる効果があります。その結果、筋肉の収縮によって生じていた、さまざまな悩みの改善が期待できるのです。

肩ボトックスの効果

ボトックス注射の中でも「肩ボトックス」は、僧帽筋(そうぼうきん)に薬剤を注入します。

僧帽筋(そうぼうきん)
肩や首の後ろ・背中・肩甲骨・鎖骨などに広がっている大きな筋肉

僧帽筋は肩の筋肉の中で最も大きく、肩甲骨を動かすのに必要な筋肉なので、日頃から使用頻度が高めです。
パソコンやスマートフォンを多用する方は、発達のしすぎで盛り上がったり、収縮して肩こりの原因になったりします。僧帽筋にボトックス注射を行うことで、肩まわりの筋肉の緊張を和らげることが可能です。

肩ボトックスは、主に以下のようなお悩みの改善が期待できます。

  • 肩こりや巻き肩に悩んでいる
  • 肩のラインをすっきりさせたい
  • 首を長く見せたい
  • 頭痛に悩んでいる

肩こりや巻き肩の改善 

肩は頭・胸・腕などのさまざまな筋肉を支えていることもあり、いつも筋肉が緊張状態にあります。そして血流の滞りや疲労物質の蓄積などが原因で、肩こりにつながってしまうのです。
また、体型・血行不良・職業(長時間同じ姿勢など)・姿勢の悪さ・眼精疲労・運動不足・ストレス・冷え性・更年期といったことも、肩こりの原因とされています。
肩にボトックス注射を打つことで筋肉の緊張状態が緩和され、辛い肩こりや巻き肩の改善に効果があります。なお、巻き肩とは左右の肩が前方内側に入り込んでいる状態です。鏡の前に立って横から見たとき、耳よりも肩が前に出ている場合は、巻き肩の可能性があります。
肩こりや巻き肩で悩んでいる人の肩は、しこりのように固くなっているのが特徴です。これは筋肉が緊張している状態です。血流が滞っており、疲労性物質が蓄積しているうえに、栄養がスムーズに届かなくなっています。
僧帽筋にボトックス注射をすることで、発達した筋肉の働きが弱まり、肩こりや巻き肩が緩和されます。

肩のラインをすっきりさせる

筋肉の働きが抑えられることで、盛り上がっていた筋肉がボリュームダウンし、肩の位置が下がります。その結果、首から肩にかけてすっきりとした華奢な印象に仕上がるでしょう。ウエディングドレスや水着など、上半身を出すファッションをする予定の方などにもおすすめです。

首を長く見せられる

肩の位置が下がると、相対的に首が細長く見える効果も。首が長く見えると、小顔効果も期待できます。

頭痛の改善

もし肩こりによる頭痛が生じていた場合、肩ボトックスにより頭痛が改善する可能性があります。肩こりが頭痛につながるのは、血流の滞りが原因です。肩ボトックスで血流が改善して老廃物などが流れることで、酸素や栄養が効率よく届くようになり、頭痛を和らげると言われています。

肩ボトックスで効果が出る人・出ない人

肩ボトックスで効果を実感しやすいのは、以下のようなお悩みを抱えている方です。

  • 長年肩こりで悩んでいる
  • 年齢とともに肩こりが悪化してきた
  • 僧帽筋あたりに痛みを感じる
  • マッサージをしても肩こりが解消しない
  • 肩のこんもりとした部分が気になる

逆に上記のようなお悩みがない方は、施術を受けても変化を感じられないでしょう。

肩ボトックスの種類

ボトックス注射に使われる製剤は、いくつかのメーカーが製造・販売しており、クリニックごとに使用するものが異なります。
大きく「アラガン社製」「韓国や中国製」に分かれていますが、ボトックスはアラガン社の登録商標です。実はボトックスと呼べるのは、アラガン社の「ボトックスビスタ®」と「ボトックス®」に限られます。

ボトックスビスタ®
保険適用外の製剤。眉間や目尻のしわなど、承認された適応症に使われる。

ボトックスR®
保険診療用。重度の腋窩多汗症(えきかたかんしょう)など、承認された適応症に使われる。
韓国や中国製のものは正式にはボトックスではなく、ボツリヌストキシン毒素を成分とする製剤です。クリニックの中には、それらをボトックスとして取り扱っているところもあるため、よく確認するようにしましょう。

なお、アラガン社はアメリカの医薬品・医療機器メーカーで、アラガン社のボトックスビスタは、国内で唯一厚生労働省に認可されています。
世界シェアNo.1の製剤で、日本人を対象にした多くの臨床データがあるため、有効性や安全性の高さに定評があるところが利点です。徹底した品質管理のもと、工場からクリニックへ供給されているため、安定した効果が期待でき、1回の注入で6ヶ月程度効果が続くと言われています。
韓国製の製剤は厚生労働省の承認を得ていませんが、価格の安さが特徴です。主な製剤を紹介します。いずれもKFDA(韓国食品医薬品安全庁)の医療承認を受けており、ボトックスのジェネリック医薬品にあたる製剤です。

ボツラックス
韓国のHugel社が製造している筋弛緩剤で、アラガン社のものと同等のA型ボツリヌス毒素を成分に含みます。持続期間が長めで、1回の注射で3〜6ヶ月程度効果が続くと言われています。

コアトックス
韓国のメディトックス社が製造している製剤です。

従来の製剤は注射を打ち続けることで耐性がついてしまい、効果が薄れることが稀にありました。コアトックスは耐性がつく原因のひとつである「非毒性タンパク質」を除去。継続的な注射によって効果が弱まることを抑えられます。
また、薬物反応などを抑えた安定剤を使っているので、アレルギー反応が起こるリスクが少ないところがポイントです。

ニューロノクス
ニューロノクスも、メディトックス社が製造しているA型ボツリヌストキシン製剤です。
日本では100万本以上の販売実績があり、臨床試験で広く有効性が確認されています。持続期間は3~4ヶ月程度です。ただ、他のボツリヌストキシン製剤と比較して効果が弱いといった報告もあります。

リジェノックス
韓国のヒューゲル社が製造しており、韓国のボツリヌストキシン治療ではシェアNo.1と言われています。筋肉の張りを和らげるのに効果的で、1回の注射で3〜4ヶ月の持続効果があるそうです。

効果が出るまでの注射回数

肩ボトックスは、1回の施術でも効果を実感できます。
しかし効果に即効性はなく、注射後3〜5日で効果が出始めるのが一般的です。半永久的に効果が続くのではなく、持続期間はおおよそ3ヶ月ほど。重度の肩こりの場合は、早く効果が薄れる可能性もあるでしょう。
その後何もしなければ徐々にもとに戻ってしまうので、状態をキープしたい場合は継続的な注射が必要です。肩こりの場合、効果が続いている期間に姿勢の改善や肩こり改善のストレッチが習慣化すれば、再発を防げる可能性があります。
継続的な治療を行う場合、患者それぞれの肩こりの状態によって施術頻度は異なります。軽度の場合は6ヶ月に1回、中等度なら3~4ヶ月に1回、重度は3ヶ月に1回を目安に施術を行うのが理想です。

肩ボトックス注射の副作用・失敗例

副作用・ダウンタイムについて

肩ボトックスには、大きな副作用やダウンタイムがほとんどありません。注射なので、施術中に針を刺すことによるチクッとした痛みは伴います。
しかし予防接種と同様の痛みなので、我慢できることが多いでしょう。もし痛みが不安な方は、クリニックによって表面麻酔などを用意していることがあるので、カウンセリング時に相談してみてください。
軽度の副作用として考えられるのは、内出血・腫れ・アレルギー・筋肉痛のような症状です。
点状の内出血を生じることはあるものの、1~2週間程度で治まることが多く、コンシーラーなどの化粧品で隠せる程度なので、そこまで気になることはないでしょう。注射した部分が腫れることがありますが、多くの場合は数日程度で治まります。
また、ボトックスは安全性の高い施術ですが、医薬品なので稀にアレルギー反応を起こす方もいます。過去にボトックス注射を受けて、アレルギー反応があった方は、基本的に施術を受けられません。もし他の製剤に対するアレルギーがある方は、医師へ正しく申告しましょう。医師に体へ悪影響があると判断された場合は、施術を断られる可能性があります。
そのほかに、薬剤が効きすぎることで筋肉痛のような痛みや動かしにくさ、だるさを感じることもあります。しかし一時的なものなので、その後の日常生活に影響することはないでしょう。
なお、妊娠中・授乳中・透析中などに該当する人は、基本的に施術ができません。

失敗例について

肩ボトックスに見られる失敗例のほとんどは、「効果が出ない」ということです。その原因は、製剤を注入する位置や注入量を誤ったことが考えられます。
失敗を防ぐためにも、腕のいい医師に処置を施してもらうのが大切です。そのため、クリニック選びは慎重に行わなければなりません。
その他の原因として、施術後の過ごし方に問題があったケースもあります。施術直後はまだ製剤が安定していません。マッサージをするなどの強い刺激が加わると、製剤が他の部位に流れてしまい、効果が半減してしまうので気を付けましょう。
また、ボトックスは熱に弱い特徴があるため、長時間の入浴やサウナ、過度な運動などは避けることをおすすめします。

失敗を防ぐための、クリニックの選び方

クリニックを選ぶ際は、以下のポイントに注意して選びましょう。

  • カウンセリングの丁寧さ
  • 過去の実績や口コミの良さ

 

カウンセリングの丁寧さ
肩ボックスに限らず、施術前にはカウンセリングが行われます。その際に、専門用語などを多用せず、患者に寄り添った分かりやすい説明をしてくれるか、不安な部分や不明点を何でも相談しやすい雰囲気か、などをチェックしましょう。
悩みに対して真摯に対応してくれるクリニックであれば、安心して通院できるのはもちろん、万が一副作用が生じた場合でも、丁寧にアフターケアをしてくれるでしょう。
カウンセリングを無料で実施しているクリニックは多いので、気になるクリニックがあれば、まずは直接話を聞きにいくことをおすすめします。

過去の実績や口コミの良さ
ボトックス注射は、施術をする医師の腕が重要です。
クリニックによって、HP等に医師の経歴や過去の実績、症例写真などを掲載しているところもあるため、実績が多いところを選びましょう。また、口コミサイトやSNSなどで、既存患者の生の声を確認するのも大切です。

ボトックス注射を打ち続けるとどうなる?

ボトックス注射を打ち続けると「副作用を招く」「筋肉が緩みすぎて、日常生活に支障をきたす」といった情報を聞いたことがある方もいるでしょう
しかし、ボトックス注射を打ち続けることによる副作用は、とくにありません。逆に継続的に打つことで、持続期間を延ばせます。
ただ、短期間のうちに何度も注射するのはおすすめできません。なぜなら、体内に抗体ができてしまうことで効果を実感しにくくなってしまうからです。
なるべく抗体を作らないためにも、施術の間隔を3ヶ月〜6ヶ月に1回程度にしたほうがよいでしょう。また、複数ヶ所に注射を打つと、抗体ができやすくなると言われています。注射を打つ範囲を絞って施術を受けるのがおすすめです。

ボトックス注射を打ち続けるとどうなる?

肩ボトックス注射の値段は?

肩ボトックスの料金は保険適用外です。そのため、施術を受けるクリニックごとに料金体系に差があります。
注入量に比例して料金を設定しているクリニックもあれば、均一に設定しているところも。また、使用する製剤の種類によって料金が変わることもあります。
当サイトを運営しているVENUS BEAUTY CLINIC(ヴィーナス ビューティ クリニック)で肩ボトックスをした場合の料金は、以下のとおりです。

100単位 ¥85,800(税込)

「単位」とは注入するボトックスの量のことです。上記の料金に追加で注入することもできるため、カウンセリング時にご相談ください。

VENUS BEAUTY CLINICならこんな施術が可能

VENUS BEAUTY CLINIC(ヴィーナス ビューティ クリニック)は、新宿と銀座にある美容クリニックです。
当クリニックが取り扱うボトックス注射の製剤は、アラガン社製です。日本で唯一、厚生労働省によって製造販売を許可されており、安全性・有効性の高さが確認されています。
ボトックスは針による治療なので、痛みを心配されている方も多いでしょう。ただ、ボトックス注射に使用する針はとても細いので、そこまで心配する必要はありません。また、当クリニックは痛みや不快感をゼロにすることを目標に掲げており、最新の機器や経験を駆使して日々治療を行っています。
施術前のカウンセリングでは、お悩みや体調、ご希望を丁寧にお伺いし、患者様の不安を少しでも和らげたうえで施術を受けていただけるよう心がけております。何かご不明点があれば、何でもご相談ください。
来院前にご不安やご不明点を少しでも解決したい方は、お電話やインターネット(お問い合わせフォーム)でお気軽にご質問ください。
なお、当クリニックは事前予約制です。お電話・インターネット・LINEからのご予約に対応しています。お電話の場合は、10:00〜19:00が受付時間です。

VENUS BEAUTY CLINICは、患者様一人ひとりのお悩みやご希望に寄り添い、安全を第一に考えた無理のない治療をご提供いたします。ボトックス注射をはじめとした美容治療のことは、ぜひ当クリニックにお任せください。

ボトックス

監修ドクターSUPERVISOR

佐藤 翼Tsubasa Sato美容外科医

昭和大学医学部卒業後、今給黎総合病院形成外科、昭和大学病院形成外科、昭和大学藤が丘病院形成外科、大手美容クリニックで研鑽を積みVENUS BEAUTY CLINIC院長に就任する。

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