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こんにちは。VENUSBEAUTYCLINIC形成外科専門医の藤本です。
人中短縮とは、その人中を手術によって短くし、鼻と上唇の間を近づけることをいいます。
人中(じんちゅう)とは、鼻と口との間の細長い溝のことです。
人中短縮は上唇リフト、リップリフトと呼ばれることもあります。
鼻と唇の間が長すぎるように感じて、気になってしまう方には人中短縮術をお勧めすることもあります。
ただし、希望される方全員に手術を受けていただけるわけではありません。人中短縮がその方にとって良い結果となるとは限らないのです。
人中を短くすることで、むしろ顔の印象を悪い方向に変えてしまう可能性もあります。
人によっては「手術を受けなければよかった」と後悔されるかもしれません。
また、手術適応となった場合も、4か月ほど表情などに少し違和感がある状態が続き、傷跡が薄くなるまでに半年ほどかかるなど、注意していただきたい点があります。
人中短縮術についての注意点や適応範囲について次から詳しくご紹介します。
ここ数年で一気に広まってきた施術の1つではないでしょうか。
そもそも人中とは、鼻と、上の赤唇(赤い唇部分)の間にある白唇(肌色部分)の一部にあたります。真ん中の溝部分を人中窩、その両側の高まりを人中稜と言います。
上の白唇が短くて可愛い芸能人の方、たくさんいらっしゃいますよね。不幸なことに人は歳を重ねるにつれて、この部分は間伸びし、赤唇は薄くなっていきます。
そんな悩みを解決してくれるのが、人中短縮術なのです。鼻の下で白唇部を部分的に切除して短くします。
良い手術なのですが、注意しなくてはいけない点がいくつかあります。
ここでは
① 人中短縮の適応
② 切除デザイン
③ 傷あとへの配慮
にわけてお話していこうと思います。
まず、自分が人中短縮の適応かどうか。
白唇が平均より長いから、短縮してしまえ!と安易に考えるのは、絶対にダメです。
人中短縮をすることにより、短縮された幅を中心に赤唇部は頭側にめくり上がるため、厚く、若干前に出るようになります。これは人によって良い方向 or 悪い方向に働きます。
また、もともとガミースマイル(笑った時に歯茎が出る)の方は、余計ガミースマイルの症状が悪化します。これは、そもそもの土台となる白唇部とその深部にある骨の長さのアンバランスによるものなのかもしれません。
さらに、人中を短くしすぎると、前歯が露出したり、富士山型の唇になったり、鼻の穴が少し見えやすくなったりします。
このように案外適応範囲は狭かったりする施術になります。
続いて切除デザインについて。
人中短縮で重要なのはその人にあった切除幅では?……いやいや、それだけではありません。
たまにカウンセリングで、傷の一部は鼻の中に入り、見えにくくすることはできますか?と聞かれることがあります。
ここに思わぬ落とし穴があります。
ご自身の顔を鏡でよーく眺めてください。鼻の穴に入るところの、白唇と繋がる部分(鼻の穴の底面に当たるところ)に丘がありませんか?
これを鼻孔底隆起と言います。
鼻孔底隆起の形は人により様々です。高い方、低い方、内側と外側に分かれて間は平面になっている方がいます。
特に鼻孔底隆起の高めな方は、鼻の中に傷を入れようとしてここ切除すると、平坦となり、不自然になります。ここは1度切除してしまうと、元に戻すことはできません。
つまり切除デザインもその方によりじっくり考える必要があります。
最後に傷あとについてです。人中短縮の傷は、顔の中でも真ん中にあり、かつ見えやすい位置にあるのに、顔の手術の中では比較的残りやすい箇所の1つです。
傷の治り方の詳細については割愛しますが、綺麗な傷あとにするためには、手術行程・縫合技術、ご自身の体質、傷が治るまでの緊張度(傷の双方向から引っ張られる力)などなど様々な要因があります。
その中でも人中短縮において、傷の緊張を減らす、安静にする点は特に重要かと思います。
傷は一般的に1-3ヶ月は赤く硬く、それから術後半年かけて薄く白い軟らかい傷あとになるのが理想です。
この間になるべく傷を安静にさせたいのですが、不幸なことに我々人間は常に話したり、食べたり、表情を作ったりするため、絶えず傷が動くのです。
これは傷あとが赤く腫れて残る(肥厚性瘢痕)になるリスクを高めます。
そのリスクを少しでも減らすために、私は手術の際に皮膚のみ切除して縫うのではなく、その深部の筋肉(口輪筋)も特殊な処理をして皮膚皮下組織への緊張度低めています。
さらに患者様がOKであればであれば、この大事な数ヶ月間に傷周囲にボトックスを効かせ、筋肉の動き自体を制限してしまいます。
術後、4ヶ月ほど表情などに少し違和感はありますが…
医師により、それぞれ手術のやり方や術後管理についてお考えがあると思いますので、カウンセリングの際に聞いてみるといいかもしれません。
マスク社会の中で受けやすい施術の1つではないでしょうか。
最後までご覧頂きありがとうございます。
少しでも手術検討中の皆さんの一助になれれば幸いです。
形成外科専門医 藤本裕樹
美容・形成外科医
筑波大学医学部卒業後、昭和大学形成外科に入局し、昭和大学病院、昭和大学藤が丘病院、昭和大学横浜市北部病院新久喜総合病院、太田西の内病院などで形成外科・美容外科の研鑽を積む。2019年よりVENUS BEAUTY CLINIC医師として勤務する。
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